Excelで日本地図の色分けがうまくいかないとき
都道府県別の数値を用意して、Excelの「塗り分けマップ」で日本地図を作ろうとしたのに、世界地図が出てきた。一部の県だけ塗られない。そもそもグラフの種類に地図が出てこない——このあたりでつまずいて検索してこられた方が多いと思います。
このページでは、よくある3つの原因を整理し、それぞれの対処法をまとめます。最後に、Excelを使わずにブラウザだけで同じことをする方法も紹介します。急いでいる方は、そちらから読んでいただいても構いません。
原因1:そもそもマップグラフが使えないバージョンだった
塗り分けマップ(マップグラフ)は、すべてのExcelで使えるわけではありません。マイクロソフトの公式ヘルプでは、この機能はMicrosoft 365 サブスクリプションを持っている場合に利用できると案内されています。対応するのは Excel for Microsoft 365(Windows / Mac)のほか、iPad・iPhone・Androidタブレット・Androidスマートフォン・Excel Mobile などです。
つまり、買い切り版のExcelや、職場で古いバージョンを使っている場合は、「挿入」タブを探しても地図のアイコンが見つからない、ということが起こります。この場合、設定をどういじっても表示されません。バージョンを上げるか、別の方法を使うことになります。
また、公式ヘルプにはマップグラフ固有の系列オプションは、AndroidデバイスやExcel Mobileではサポートされないとも書かれています。スマートフォンで開いて設定が出てこない場合は、この制限に当たっている可能性があります。
原因2:オンライン接続が必要だった
意外と知られていないのが、この機能がインターネット接続を前提にしていることです。公式ヘルプには「新しいマップを作成したり、既存のマップにデータを追加したりするには、オンライン接続(Bingマップのサービスに接続するなど)が必要です」と明記されています。すでに作られたマップを表示するだけならオフラインでも構いません。
つまり、地名を地図上のどこに当てはめるかという判断は、Excelの中ではなく、外部の地図サービスに問い合わせて決まっています。社内ネットワークの制限で外部接続がブロックされている環境では、地図が作れなかったり、途中で失敗したりします。同じファイルが自宅では動いて職場では動かない、という現象はここが原因のことがあります。
原因3:地名の解釈が想定と違っていた
いちばん多いのがこれです。「世界地図が出てくる」「一部の県だけ塗られない」「知らない国が塗られている」は、いずれもこの系統の問題です。
地名から場所を特定するのは外部の地図サービスなので、同じ名前が世界のどこかにあれば、そちらに解釈される可能性があります。公式ヘルプでも、あいまいな地名についてはより上位の行政レベルを別の列として追加することが推奨されています。例として「ワシントン」だけでなく「ワシントン」と「米国」を別々の列に分ける方法が示されています。
日本の都道府県で作る場合も、同じ考え方が使えます。都道府県名の列の隣に「日本」という列を用意し、両方を選択してからマップグラフを作ると、解釈が安定することがあります。
なお、公式ヘルプが対応する地理レベルとして挙げているのは、国・地域や市区町村、郵便番号といった単位で、緯度・経度や番地単位のマッピングはサポートされていないとされています。また、Geography(地理)データ型を使ったときに誤ったマッピングが起きる既知の問題も案内されています。「設定は合っているはずなのにおかしい」と感じたら、自分の操作の問題ではなく、こうした既知の制限に当たっている場合もあります。
それでも直らないときのチェック
- 県名に余分な空白や改行が入っていないか(コピー元がPDFやWebの場合に起きがちです)
- 「東京」「大阪」など、都・府が省略されていないか
- 合計行(全国、計)や注記行が範囲に含まれていないか
- 数値の列が文字列として扱われていないか(セルの左寄せは文字列のサインです)
Excelを使わずに同じことをする
ここまでの3つは、いずれも「地名の解釈を外部サービスに任せている」ことに由来します。裏返せば、あらかじめ日本の47都道府県だけを持っている地図を使えば、この問題は最初から起こりません。
このサイトのツールは、まさにその考え方で作られています。日本の47都道府県の形だけを持っていて、県名は内蔵の辞書で照合します。外部の地図サービスには問い合わせません。だから世界地図が出ることも、知らない国が塗られることもありません。
使い方は、Excelやスプレッドシートで都道府県名と数値の2列を選んでコピーし、エディタのテキスト欄に貼り付けて「読み込む」を押すだけです。ここから先の特徴を挙げると次のとおりです。
- 表記ゆれを吸収します。「東京」「東京都」「TOKYO」「とうきょう」はすべて東京都として認識します。
- 読めなかった行は一覧で出します。どの行が認識されなかったかが分かり、その場で都道府県を選んで割り当てられます。黙って無視されることはありません。
- 段階分けを自動で計算します。3〜7段階、分位と等間隔を切り替えられ、凡例には各段階の実際の範囲が出ます。
- 凡例つきの画像が出ます。地図・凡例・タイトル・単位・出典が入った1600×900の画像として保存できます。資料に貼るとき、凡例を別途作る必要がありません。
- インストールも登録も不要です。ブラウザだけで動きます。データは共有URLを発行しないかぎり送信されません。
逆に、Excelのマップグラフのほうが向いている場面もあります。市区町村や海外を含む地図を作りたい場合、Excelのファイル内で完結させたい場合、ピボットテーブルと連動させたい場合などです。用途で使い分けてください。
まずは動きを見てみたい場合は、公的統計から作ったデータをワンタップで読み込めます。数値を自分のものに差し替えれば、そのまま自分の地図になります。
地図をつくるよくある質問
スプレッドシート(Google)からでも貼り付けられますか
できます。Googleスプレッドシートからコピーするとタブ区切りで貼り付けられるため、そのまま読み込めます。CSVを開いて貼り付けた場合も、カンマ区切りとして認識します。桁区切りのカンマは自動で判別します。
市区町村単位の地図は作れますか
現在は都道府県単位のみです。市区町村は数が約1,700に増え、同名の地名や合併の履歴で照合が難しくなるため、対応していません。
作った画像は仕事の資料に使えますか
使えます。地図データは国土交通省の国土数値情報を加工したもので、画像の右下にその出典が入ります。入力した数値の出典は、出典欄に記入すると画像に一緒に焼き込まれます。詳しくは利用規約をご覧ください。
Excel側も強くしておきたいとき
地図はこのツールに任せるとして、表やグラフの見せ方そのものを鍛えたい場合は、書籍を1冊通したほうが早いことが多いです。マップグラフの仕様変更に振り回されない土台になります。
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※ Excelの仕様に関する記述は、マイクロソフトの公式ヘルプ「塗り分けマップグラフを作成する」の記載に基づいています(2026年7月確認)。仕様は変更される場合がありますので、最新の情報は公式ヘルプでご確認ください。